A型・B型・C型 辛いのはA型


日本全国でインフルエンザが大流行しているようです。
皆さま、体調はいかがでしょうか?

A型だった?B型だった?などと話のタネになることもありますが、インフルエンザウイルスには大きく分けるとA型、B型、C型の3種類があります。
冬場に季節性のインフルエンザとして毎年流行を繰り返しているのは、A型とB型のウイルスです。

「C型インフルエンザウイルス」は、一度免疫を獲得すると終生その免疫が持続すると考えられていますので、再びC型にかかったとしても症状が軽く、インフルエンザだとは気づかずにふつうの風邪と思ってしまう程度のようです。
ほとんどの大人が免疫を持っているため感染しにくく、一般的には4歳以下の幼児がかかることが多いそうです。

「B型インフルエンザウイルス」は、過去には数年単位で定期的に流行していましたが、近年は毎年流行しています。主に人に感染し、一度免疫を獲得するとA型インフルエンザよりも長期間感染しにくくなり、大きな流行を起こすことはあまりないと考えられています。
人と人の間でしか感染しせず、お腹の風邪の症状に近いので、下痢やお腹の痛みを訴える人が多いそうです。

そして「A型インフルエンザウイルス」!!
A型インフルエンザウイルスは他のB型、C型と比べて感染力が強く、症状が重症化しやすい型です。
インフルエンザウイルスのA型は現在は「A/H3N2(香港型)」と「A/H1N1(ソ連型)」の2種類が主になっています。
A型は鳥類や豚、馬などの人以外にも感染します。

通常はインフルエンザにかかると、回復の過程でそのウイルスに対する免疫が体内に作られます。
しかしA型は変異しやすく、ウイルスの形をどんどん変えて進化し続けるため、新しいウイルスがどんどん誕生します。よって、今までに獲得した免疫が機能しにくくなりワクチンの予測も立てにくいウイルスです。
38℃を超える高熱や関節痛、筋肉痛、肺炎を含む、深刻な呼吸器系の合併症を引き起こしたり、脳炎、脳症の合併症を引き起こすことがります。

ワクチンを摂取したのに、インフルエンザにかかった!はずれた!という方もいらっしゃるかと思います。
流行する以前に作られたワクチンが「そのシーズンに流行するだろうと予測して製造したけれども」実際は対象のウイルスと構造が大幅に異なる可能性があります。
一度A型インフルエンザの「ある」ウイルスに対してワクチンが出来上がってきても、ウイルスが他の個体や別種の動物から発生したウイルスと結合して、より強い病原性を持つ新しいウイルスに変異してしまう可能性もあります。

では、どうしてA型は変異しやすいの〜?となりますよね。
A型インフルエンザウイルスの粒子表面に2種類の突起が出ています。
1つは「HA(ヘマグルチニン)」といい、もう1つは「NA(ノイラミニダーゼ)」といいます。どちらも細胞に感染するために重要な糖タンパク質です。

抗原の型によってウイルスは分類され、HAにはH1〜H16までの16種類もの亜型が存在し、NAにはN1〜N9までの9種の亜型があります。
これらの様々な組み合わせで人以外にもブタや鳥類などその他の宿主に広く分布しています。

スペイン型(H1N1)、アジア型(H2N2)、シンガポール型(H1N1)、香港型(H3N2)、ソ連型(H1N1)と呼ばれるのはこの亜型のことです。
ウイルスの表面にあるHAとNAは、同一の亜型内で抗原性を変化させるマイナーチェンジを毎年のように繰り返すため、A型インフルエンザは流行をし続けます。

このように亜型と呼ばれる兄弟姉妹がたくさん存在するため、A型インフルエンザに以前に感染をして免疫がある人でも、A型インフルエンザの別の型に感染してしまい、2回かかった、複数回かかった、ということが出てきます。
ちなみにB型にはHAもNAも1種ずつしかありません。

また、インフルエンザウイルスは増殖のスピードが速いのも特徴です。1つのウイルスが8時間後には100倍に増え、16時間後には1万個、24時間で100万個にまで増えます。
増殖スピードも速いため、変異のしやすいA型は変異のスピードなど速く毎年流行をします。

ウイルスの潜伏期間は1〜3日で、一般的にはインフルエンザウイルスの排出期間は発症前日から発症後3〜7日間です。

我慢をせずに、インフルエンザ流行のこの時期は、
早めの医療機関の受診をおすすめします☆