理解力・表現力養成言い換え講座 第2期 第9回


 本日は、理解力・表現力養成言い換え講座第2期の第9回目の授業がありました。

 授業前半は名作文章の書き取りワーク。文章を聞いて書き取った後、わからない表現や言葉を確認したり、感想を説明したりすることで、人にわかりやすく伝えるための言葉・表現・文の構成などを増やします。第2期の題材は『ふしぎなバイオリン(小川未明・作)』です。

今回は『はたして』という言葉の意味がわからなかったようで、さっそく辞書で意味を調べると、次の2つの意味がありました。

 1 思っていた通り。やはり。
 2 強い疑いの気持ちを表す。本当に。

生徒は2の意味を知っていたようで、「やっぱりこの意味で良いんだ!」と予想が当たって喜びます。しかし、2の意味を文中の『はたして』の代わりに入れてみても、なんだかしっくりこない様子。そこで、1の意味を代わりに入れて読んでみると文章の流れがバッチリ繋がり、「この意味だ!」と、生徒は新しい発見に先ほどよりも大喜びです。

現代では2の意味の使用頻度が高く、この意味だけだと思っている大人の方も多いのではないでしょうか。そういう私も、1の意味を明確に答えることはできませんでした。。。大人でもわからないことはあるのは当然ですが、わからないことは問題ではなく、わからないことを”なんとなく”分かったままで流してしまうことが問題です。面倒であっても、わからないことを1つ1つ丁寧に確認すると、”本当の”分かったという感覚を味わってもらうことができて、子どもも大人も嬉しいですね。

 授業後半は絵から文/文から絵の言い換えワーク。一枚の絵を見て、その絵を文章で表現してもらい、その後、文章から絵へ逆の変換をしてもらうことで、自分自身の理解度を確認しながら、人にわかりやすく伝えるために必要な手法を楽しく身につけていきます。

今回は『背景のある絵』を見て、文章で説明します。
用いた絵は、中心は校庭を走っている少年で、彼の背後に学校の校舎やフェンス、木々が並んでいるというものです。背景が現れたことで、説明の順番さらに気にする必要が出てきました。絵の主題(少年)の簡単な説明→少年についての詳細→背景について、という順番で説明するとわかりやすいですね。

生徒はこちらが何も言わなくても、まずは少年が走っていることを最初の文で説明し、続いて少年の服装や動きを主たるところから説明していき、とてもわかりやすい文章が出来上がります。これまでの成果が出ているようです。ところが、背景に移ろうかというところで、「できた!」と終了です。いえいえ、背景がまだですよ。/p>

ここまでの文章は完璧であることを褒めながらも、背景について言及すると、「あ!本当だ!」と言って、ワークを再開します。そして、木がたくさんある様子を書いてから、学校の校舎があることを書いて、今度こそ説明終了。お手本の絵を見ながら、背景を説明する順番がバラバラだとわかりにくい、背景の詳細についても説明する必要があるという気づきを得て、ワーク終了です。

 最後に、生徒は自分で学んだことをまとめシートに書いて、本日の授業は終了です。

→まなびの基礎講座の詳しい内容はこちら

→体験授業のお申し込みはこちら