3億4000万kmから19分待って!


昨日の20(水)はスーパームーンでした。
夜は雨が降ってしまいましたが、明るい月は見れましたか?

前日の19(火)は暦の上では「雨水(うすい)」でした。
立春から数えて15日目ごろです。
今年は雨が多いですが、「雨水」は「雪から雨に変わり、氷が溶けて水になる」頃です。
草木が芽生える頃でもあり、古くから農耕の準備を始める目安ともされていました。
春一番が吹くのもこの頃です。三寒四温を繰り返しながら春に向かっていきます。
この日に雛人形を飾ると良縁に恵まれる、といわれ、雛人形を飾る地域もあるそうです。

明日、22(金)は、「はやぶさ2」が小惑星リュウグウに【第一回目のタッチダウン】をする予定の日です!!
昨年の10月下旬に行うはずでしたが、調査の結果、リュウグウの表面には研究者たちの想像以上にボルダーと呼ばれる岩の塊がたくさんあり、平らで広い場所は見つかりませんでした。

はやぶさ2がリュウグウに到着する前の想定では、「直径100mくらいの平らな場所があるだろう」という想定をしていたそうです。
ですが、実際は、20〜30mの平らな場所すら見当たらなかったそうです。

よって、タッチダウン予定の昨年10月下旬には行わずに、改めて場所探しが始まり、ターゲットマーカを着地予定地点付近に降ろす運用を行っていました。
ターゲットマーカの着地点付近を詳しく調べ、L08-E1と呼ばれる領域がタッチダウンを行う場所として決定されました。
そして最終的にはタッチダウンを行う領域は、L08-E1の領域内の「直径6mの円」の中となりました。

「直径6m円」の中心を目指して、この円とほぼ同じくらいのサイズのはやぶさ2が降下します。
着陸場所はターゲットマーカの位置から4〜5m離れた位置になると予想されています。
ターゲットマーカーをはやぶさ2は自身のカメラの視野に捉えながら、高度20kmから約9mの高さまで降下をしていきます。
その後はオフセットに切り替わって一気に自由落下となります。

探査機の誘導誤差は最大でも2.7mと見積もられており、ギリギリで「直径6mの円」の中にはやぶさ2はタッチダウン出来そうなのだそうです。
当初は幅100m程の平らな場所にタッチダウンする予定でしたが、最終的に直径6m(半径3m)の円の中を狙うことになりました。かなり違いますね。

例えば、6mはビルの2階〜3階くらいですが、100mは25階くらいになります。
25mプールで6mは蹴伸びするとすぐですが、100mはクロール4本分です。

はやぶさ2は、既に本日の午後、リュウグウの高度20kmのホームポジションと呼ばれる定位置から毎秒40cmの速度で降下をし始めており、明日「22日午前8時06分」ごろの着陸を予定しています。

リュウグウと地球との距離は【約3億4000万km】あるため、はやぶさ2との間の通信には、現在、電波が届くのに【19分】ほど時間がかかるそうです。

午前8:06に着陸をしたとしても、地球にいる研究者たちがそのことを確認できるのは、早くて19分後の午前8:25となります。
はやぶさ2との交信には往復で「約40分」、研究者たちも私達も、どうなったんだろう??と、地上でドキドキしながらの長い待ち時間ですね。

なお、降下開始前、高度5km、高度500mなどの各タイミングで、タッチダウンをそのまま行うかどうかの、「GO」・「NOGO」判断を行うそうです。
高度が500mに達した段階で「GO」と判断を出した後は、地球からの指示が間に合わなくなってしまうため、探査機は基本的に自律で行動をします。

そして、リュウグウ表面への接地を検出すると、はやぶさ2は弾丸を発射して、飛散した表面物質を機内へ回収します。

ただし、小惑星の物質サンプルが実際に回収されているかどうか、どのくらい回収できたのかどうかは、地球へ帰還してカプセルを開けてみないと分かりません。

はやぶさ2が戻って来るまでの(長いですが)お楽しみ☆

まずは、3億4000万kmかなたの明日のタッチダウンの成功を地球から祈りましょう!!