100・・・50、40、30、20・・・・・・!!!


晴れると暑くて降ると寒い、気温の変化が激しいこのごろ。
皆さん体調はいかがでしょうか。

昨日の6月20日(水)、とうとう、リュウグウまでの距離が100kmを切りました!!
え?なにが?「リュウグウ」ってなに?と思った方、小惑星探査機のはやぶさをご存知ですか?今から15年前の2003年5月9日に宇宙科学研究所(ISAS)が打ち上げた小惑星探査機です。2005年9月にイトカワという小惑星に到達し、世界で初めて、月以外の天体に着陸してそのサンプルを地球へ持ち帰った初の探査機として世界で注目を浴びました。また、地球への帰還途中でエンジントラブルや音信が途絶えたりしましたが、それらのトラブルを克服し2010年6月13日にオーストラリアの砂漠に着陸しました。
やはぶさの本体は地球の大気圏突入時に燃えてしまいましたが、サンプル容器は無事に地球へ到着し、小惑星イトカワの粒子の分析がされています。数々の問題を克服し60億kmの旅を終えて7年振りに地球へと帰還したはやぶさの物語は映画にもなりました。

ところで、何故、そうまでして小惑星へ探査機を送るのでしょうか。
何故、太陽系の小惑星を調べるのでしょう。
私達の住む地球のある太陽系には、小惑星と呼ばれる小さな天体がたくさん存在しています。大きなものでは直径が1000kmもの小惑星がありますが、小惑星の多くは、より小さなものばかりで、大きさが数m程度という小惑星もあります。このような小さな天体を調べる理由は、私達が住む地球を理解することへと繋がっています。

地球などの惑星は、小さな天体が集まって誕生したと考えられています。しかし、惑星が誕生するとき、集まった天体同士は衝突し合い高温となって溶けてしまっています。一度どろどろに溶けてから冷えて固まっているため、惑星をつくった元の物質についての情報は分からなくなってしまっています。
例えば、1つのフルーツジュースの材料は何のフルーツが入っているかは調べれは何とか分かりますが、いくつものフルーツジュースを混ぜ合わせたものから、どれがどれのジュースの材料だったのかは分かりません。実際には天体同士の衝突の際に高温となり物質同士が混ざり合って別の物質になってしまっていたりしますので、ジュースとはちょっと違いますが、イメージとしてはこんな感じでしょうか。

惑星に比べて小惑星や彗星はあまり進化をしていない天体ですので、太陽系が誕生した頃やその後の進化についての情報を持っていると考えられています。これらの天体は、「始原天体」とも呼ばれます。始原天体を調べることで、太陽系がどのように誕生し、どのように進化してきたのか、私たちのような生命をつくる元になった材料はどのようなものであったのかについての新しい手がかりが得られる可能性があります。
太陽系だけでなく、その他の惑星系の誕生・進化を考えるヒントにもなります。
また、小惑星や彗星は、過去に何度も地球に衝突しており、その度に当時の地球環境に様々な影響を与えてきました。恐竜絶滅の原因とされる天体の衝突もそうです。今後も発生するであろう天体の地球衝突に備えるためにも小天体の探査を行っています。

そんな重要任務に就いていた小惑星探査機はやぶさの後継機である、「はやぶさ2」が間もなく小惑星リュウグウへ到着します!!
はやぶさ2のお仕事は、先輩のはやぶさが探査した小惑星イトカワ(S型)とは別の種類の小惑星(C型)を探査することです。はやぶさ2が目指している小惑星リュウグウは、地球に接近する軌道を持つ地球近傍小惑星(NEO=Near Earth Object)のひとつで、これまでの観測から大きさは535mのイトカワの約2倍くらいの900m程度と推定されています。
リュウグウは太陽系が生まれた今から約46億年前の頃の水や有機物が現在でも残されていると考えられており、惑星の起源だけでなく、地球の水はどこから来たのか、生命を構成する有機物はどこでできたのかなど、地球の海の水の起源や生命の原材料を探求する鍵になると期待されています。

小惑星リュウグウまでの距離が現在は70kmを切り、その姿が少しずつ鮮明に見え始めてきました!はやぶさ2のリュウグウ到着予定は27日前後だそうです。サンプルを採取して地球への帰還予定は2020年の年末の予定だそうですよ〜。頑張れ、はやぶさ2!!
生命の誕生、太陽系の誕生、宇宙の謎がまた1つ解き明かされるかもしれませんね☆