間もなく盂蘭盆会です☆


皆さん七夕はいかがでしたでしょうか。
もうすぐ夏休みですね。

東京都や南関東の多くでは明日13日からはお盆です。お盆は7月15日を中心に、13日には迎え火、16日には送り火を行ないます。「我が家はまだ先、来月だよ〜」と、月遅れの8月にお盆の行事を行うご家庭ももちろんあります。

お盆の行事は、元々は旧暦の7月に行われていました。お盆の風習が始まったのはとても古く、平安時代には「盂蘭盆(うらぼん)」の行事が定着していたといわれています。この当時は、お盆の行事は7月15日を中心として、7月13日~16日がお盆の期間でした。
その後、明治時代以降に、新暦(太陽暦)が導入されたことによって8月のお盆が生まれ、①7月13日~15日(または16日):旧暦の月日がそのまま新暦に残ったため。②8月20日前後(旧盆):旧暦の7月15日が新暦でいう8月20日前後のため。③8月13日~15日(または16)日:月遅れの盆、当時の日本国民の8割が農業に従事しており、新暦7月15日は農作業の忙しい時期と重なったため、お盆を1ヶ月遅らせて「月遅れのお盆」とすることで、お盆の行事をゆっくりできるようにしたため。というよいうに、日本国内では大きく3つの時期に分かれていきました。皆さんのお盆はどの時期でしょうか。

お盆は正式には「盂蘭盆・盂蘭盆会(うらぼん・うらぼんえ)」といいます。古代のインド語の一つで、現在もインド憲法で定められている22種類の公用語のひとつであるサンスクリット語からきているとされています。
サンスクリット語で「ウラバンナ」(またはウランバナ)の音を漢字にあてはめて読まれた言葉です。へぇ〜古代インドの言葉!どんな意味なんだろう?と、皆さん思いますよね。意味はなんと聞いてビックリ、「逆さ吊り・ぶら下げること・吊るすこと」だそうです。
「逆さ吊り」はもともと、昔の仏教の考え方で、死後に地獄に落ちた人々は逆さ吊りなどの刑を受けると思われていました。ええっ?逆さ吊りとご先祖様にいったいどんな関係が?と更なる疑問が湧いてきますよね。もちろん由来があります。

お釈迦様は、紀元前5~6世紀頃のインドの北部(現在のネパール)に釈迦族の王子として生まれました。悟りを開いた人=「ブッダ」とも呼ばれるお釈迦さまは、長い修行の末、人の生につきまとう苦しみを解き明し、苦しみから解放されるための智慧を、生涯を通じて人々へ伝えひろめました。
そして、お釈迦様の弟子に、優れた神通力を身につけた目連尊者(もくれんそんじゃ)という人がいました。あるとき目連尊者はその神通力を使って、亡くなった母親の姿を見てみました。すると、母親が死後の世界で地獄の餓鬼道(飢えと渇きに苦しむ地獄)に落ちて飢えに苦しんでいる様子が見えたのです。驚き悲しんだ目連尊者は母親を救うにはどうしたらよいか、とお釈迦様に相談をしました。僧の修行が一区切りとなる7月15日(旧暦)に供物を用意して功徳を積みなさいという答えが返ってきました。その教えに従って、布施や供養を僧侶や多くの方々に施したところ、その功徳により彼の母親は無事に極楽浄土に行くことができました。
それ以来、母親だけではなく沢山の人々を救いたいと思った目連尊者は、毎年7月15日に同じように供養をするようになりました。多くの人々に施しをした7月15日は先祖供養の大切な日となったと伝えられています。これがウラバンナのはじまりです。
また、中国では仏教以前から死者への祖霊の儀式がありました。これらが一緒になって日本に祖霊信仰として伝わってきたとも言われています。

お盆の時期やお供え物、お迎えの仕方など行事も地域によって大きく異なるようです。
それぞれの地域、ご家庭でそれぞれのお盆がありますが、ご先祖様を供養する気持ちは皆、同じです。
お盆は日本人にとって最も大きな仏教行事なのではないでしょうか。