自由と平和を求める日本、もっと欲しい?祝日のお休み


そろそろ春休みですね。
春分の日は雪となってしまいましたが、春休みのお出掛け計画はいかがでしょうか。

春分の日は祝日でしたが、祝日はどのように決められているのでしょうか?日本では「国民の祝日に関する法律(昭和23年法律第178号)の規定」によって定められています。第1条には、自由と平和を求めてやまない日本国民は、美しい風習を育てつつ、よりよき社会、より豊かな生活を築きあげるために、ここに国民こぞって祝い、感謝し、又は記念する日を定め、これを「国民の祝日」と名づける、とあります。
また、それぞれの祝日には意味があり、例えば先の春分の日は、「自然をたたえ、生物をいつくしむ」、4月29日の昭和の日には、「激動の日々を経て、復興を遂げた昭和の時代を顧み、国の将来に思いをいたす」、秋分の日は、「祖先をうやまい、なくなった人々をしのぶ」となっています。国民の祝日は年間で16日です。おや、そんなに?と多く感じますか?それとも少な〜い、もっと欲しい!と思いますか?
ちなみに、祝日とは、建国や独立など、その国の大きな出来事や記念日を国が制定した日です。祝祭日と言う言い方を聞くことがありますが、祭日とは、皇室の祭典や神社のお祭りなど、主に宗教儀礼を行う日のことを指します。もともとは皇室祭祀令という皇室の祭祀(宮中祭祀)に関する法令があり、ここで祭日は定められていました。しかし、日本では昭和23年に廃止されて現在では祭日はなくなっています。ただし、「天皇誕生日 → 昭和の日」と言うように名前を変えて、今の祝日に受け継がれているものもあります。

アメリカではどうでしょうか。連邦政府が定める祝祭日(Federal holidays)によると祝日は10日です。イメージとしては日本人よりもたくさんお休みがあるように思いませんか?実際の祝祭日は日本の3分の2です。州や市によってはこの10日のいづれかを休日としていないこともあります。しかし、逆に州や市独自の休日もあります。日本でも東京都民の日であったり、千葉県民の日であったりと地域独自の記念日がお休みになることがありますね。日本に比べて人種や民族が多彩なアメリカでは、宗教も多彩です。そのために公立の小中高校などでは連邦政府の定めた祝祭日以外にもユダヤ教などの祭日をいくつか休校にしています。また、イスラム教の祭日、中華系の旧正月も学校によっては休校になります。更にはヒンドゥー教の祭日を休校にという動きもあり、通う学校によって差はありますが、結果的には10日以上の祝祭日となっています。人種の多様なアメリカならではです。

では、東南アジアのシンガポールではどうでしょうか。シンガポール政府が定める祝祭日は11日です。シンガポールもアメリカのように多民族、多宗教の国です。シンガポールの人口は約561万人、この内、中国系が全体の約74%、マレー系13%、インド系9%、その他4%となっています。ここ10年間は民族構成にほとんど変化がないため、主要な宗教は、仏教、イスラム教、ヒンドゥー教、キリスト教、道教です。アメリカの場合と同様にそれぞれの宗教においての重要な日がシンガポールの祝祭日となっています。中国系の人にとって大事な旧正月の春節(Chinese New Year)、キリスト教徒にとって大事なキリスト復活を祝う聖金曜日(Good Friday)、仏教徒にとって大事なお釈迦様の生まれた日である仏誕節(Vesak day)、イスラム教徒にとって大事な聖地メッカへの巡礼祭(Hari Raya Haji)、ヒンドゥー教徒にとってのお正月である光の祭典(Deepavali)などがあります。これらの記念日はアメリカのように各地域毎やキリスト教徒のみ、イスラム教徒のみなど、それぞれ独自での休日ではなく、シンガポールの国民全員でお祝いをします。民族も宗教も関係なくお互いに尊重をしようという、シンガポールの姿勢が感じられます。国民みんなでお祝いをするところは日本と似ていますね。