知っているとすぐ分かる!?


夜が過ごしやすくなって来ました。
りゅう座流星群はいかがでしたか?

りゅう座流星群の母天体であるジャコビニ・ツィナー彗星(21P/Giacobini-Zinner)は、1900年にミシェル・ジャコビニが発見し、1913年にエルンスト・ツィナーが再発見した彗星です。

彗星の名前は長くてよくわからないし、彗星の名前の前後にある数字やアルファベットは何だろう?と思いませんか。
彗星の名前には付け方があるんです。

普通は彗星を発見した人の名前を彗星の名前として付けられます。
新彗星の名前の場合には発見した順番に3名までの名前が付けられます。

例えば、「ハレー彗星(1P/Halley)」はエドモンド・ハレーが、「テンペル・タットル彗星(55P/Tempel-Tuttle)」は、まずエルンスト・テンペルが発見し、次にホレース・タットルが発見しました。

「シューメーカー・レヴィ第9彗星(D/1993 F2、P/Shoemaker-Levy 9)」はユージン・シューメーカー、キャロライン・シューメーカー夫妻とデイヴィッド・レヴィが発見し、「宇都宮ジョーンズ彗星(Utsunomiya-Jones C/2000 W1 )」は宇都宮章吾と、後にアルバート・ジョーンズが発見しました。

なが〜い彗星の名前は全部、彗星の発見者たちの名前なんです。
エドモンド・ハレーのように単独で発見して名前がついた日本人名の彗星もあります。
長田彗星・本田彗星・関彗星・池谷彗星・藤川彗星・小島彗星・鳥羽彗星・佐藤彗星・百武彗星(C/1996 B2)・宇都宮彗星(C/2002 F1)などなど。

名前以外のアスファベットのPやC、Dは何でしょう?
これらは彗星を区別するためのものです。
先頭の文字がPは周期彗星、Cは非周期彗星、Dは消滅してしまったり行方不明になったりした彗星を表しています。Pの周期彗星のうちで回帰が確認されたものには、軌道が確定したとして通し番号が1から付けられるようになります。

例)「ハレー彗星(1P/Halley)」,「テンペル・タットル彗星(55P/Tempel-Tuttle)」,
「シューメーカー・レヴィ第9彗星(D/1993 F2、P/Shoemaker-Levy 9)」

先程のHalley彗星は通し番号が1ですから、最初に周期彗星ということが判明した彗星ということです。
次のテンペルタットル彗星は、軌道が確定した55番目の周期彗星となります。
周期彗星番号1番のハレー彗星から、2018年5月の時点で367個の彗星に周期彗星番号が付けられています。
シューメーカー・レヴィ第9彗星は、短周期彗星でしたが、1994年7月に木星と衝突して消滅したため「D/」が付けられています。

例)「シューメーカー・レヴィ第9彗星(D/1993 F2、P/Shoemaker-Levy 9)」

年を表す4桁の数字の後ろのアルファベットと数字には、その年の何月に発見されたものかを表す記号です。Aが1月上旬、Bが1月下旬で、以後月ごとに2つのアルファベットを使います(Iは使わない)。

1月:上旬=A 下旬=B  7月:上旬=N 下旬=O
2月:上旬=C 下旬=D  8月:上旬=P 下旬=Q
3月:上旬=E 下旬=F  9月:上旬=R 下旬=S
4月:上旬=G 下旬=H  10月:上旬=T 下旬=U
5月:上旬=J 下旬=K  11月:上旬=V 下旬=W
6月:上旬=L 下旬=M  12月:上旬=X 下旬=Y

この要領で見ていくと、12月下旬がYとなります。シューメーカー・レヴィ第9彗星のFは3月下旬に発見されたということですね。

例)「百武彗星(C/1996 B2)」,「宇都宮彗星(C/2002 F1)」

その半月の中で何番目に発見されたものかを表すのが最後の数字です。
1996 B2は1996年1月下旬に発見された2番目の彗星です。
2002 F1は2002年3月下旬の1番目となります。

この他に、初め小惑星だと思われていたものが実は彗星だと後から判明した場合には、最初に小惑星として付けられていた名前がそのまま彗星の名前になることもあります。

細かい表記のルールなど色々とありますが、彗星の名前を見たときは、これは○○さんが発見した周期(非周期)彗星で、☓☓年☓☓月の上旬(下旬)の△番目に発見されたんだ〜と分かりますね☆